monakanoyume

覚えていた夢などを書き出してみます。

夢の中で、私は美しい鶴(人のかたちをしている)の正妻だった。鶴はいつでも私への特別な気配りを忘れなかったので、私は女たちの中でも誇りを失わずにいることができた。「明日の朝、遠くに飛んでいって、しばらく彷徨っていようと思う」と鶴は告げた。女達は泣いた。透明がちな、さらさらと秋の光を反射する泉の水面で、鶴が安らかに目を閉じて仰向けに浮かびたゆたっているのが見えた。鶴の美しい立ち姿は、このような狭い日本家屋の中で戯れに女達の相手をしているよりも、川や木々やさまざまなすばらしいものに出会うために生まれてきたのだと思わせた。そして、寿命の短い鶴は、その一瞬一瞬をそれらのすばらしいものに捧げるべきであり、女達の相手をすることは鶴の慰めにすらならず、それを強いることから解放できるのは、正妻の私しかいないのだと直感した。その時、私はもう二度と鶴に会えないのだと分かり、胸が締め付けられた。それでも私にしかできないという誇りと自虐と、あなたと自然への畏敬の念を携えて、飛び立つことを許すのだった。